俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 けれど、二人の間にすれ違いが起きていたことには二人はまだ気づいてはいなかった。

 ◇◇◇

 優羽が事務所を出ていったあと、自分の執務室に戻り城ヶ崎は深く息を吐く。

 ──優羽が可愛すぎる……。
 気が利く優羽が事務所に差入れてくれたお菓子は有名なパティスリーのものだったらしく、他の弁護士や事務員にも好評だった。

 他の弁護士には散々会いたかったのにと言われて、コーヒーを持ってきてくれた秘書は、ものすごく透明感のある美人さんでした!となぜか得意げに言われてしまった。
 優羽が魅力的なのは心から認める。

 親切なように見えて、意外と他人には冷静な判断をする叔父にすら『昂希、いい人を見つけたな』と言われたくらいだ。

 それに加えて、以前事務所内で暴れた依頼人がいたと聞いて怯える優羽はたまらなく可愛かったし、渡米すると言った時、ついてくるかと聞いたら真剣な顔で考えると言ってくれた優羽だ。

 もともと好意は持っていたけれど、優羽は高校生の時から心の綺麗さや純粋さ、それから他人に対する優しさも変わっていなくて、いつも他人のことを思いやっていて……さらに城ヶ崎を大事にしてくれている。
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