俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 本当にこれほどまでに愛おしい存在になるなんて、思わなかったし、自分がこれほどまでに溺愛できることにも驚いた。

 そして、それがとても幸せなことも。
 そんな城ヶ崎の気持ちが一方的なものではなくて、優羽自身も城ヶ崎を大事に思ってくれているということが分かって、本当にありえないくらいに幸せだった。


 ◇◇◇

 一方の優羽は買い物をしながら『渡米する』と言われたことを一生懸命考えていた。
 今日はチキンソテーと温野菜とスープを作ると決めている。

 帰りに立ち寄ったスーパーで買い物かごの中に材料を入れていった。
 材料を手にしながらもため息が出てしまうのを抑えることができない。

 ──アメリカ……。
 もしも一緒に行くと言えば城ヶ崎がいろいろしてくれて、優羽に不安がないようにしてくれることは分かっている。

 それは行かないと言っても同じことだろう。
 行かないと言っても不安にはならないよう考えてくれるはずだ。城ヶ崎はそういう人だ。

 けど、ずっと側にいたいとか、そこまで大事にしてくれている人を優羽も大事にしたいと思ったことも間違いはない。
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