俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 もしも城ヶ崎について行くと決めたら、きっと仕事は辞めなくてはいけない。

 あんなマンションに住んでいる城ヶ崎のことだ。経済的なことでは優羽が仕事を辞めたからと言って困ることはないだろう。

 優羽はマンションに足を向け、城ヶ崎の部屋に入り改めて中を見る。
 以前から少し気づいてはいたけれど、インテリアも内装もシンプルではあるけれど、とても高価なものではないのだろうか。

 総務の仕事の中で役員用の応接室をリフォームする話が出た時、インテリアコーディネーターから見せられたカタログのひとつに、あのソファを見た気がする。

 ちらっと優羽は城ヶ崎のリビングのソファを見た。
(あのソファ、確か三百万円って書いてあったような……。もしかして、昂希くんていわゆるとってもハイスペックな人だったのかしら)

 今更である。
 けれど再会したのが同窓会で、まるで学校にいた時の延長のような感覚だったから、改めて今まで城ヶ崎が築いてきたものが、他から見たら羨望の対象であると、優羽は今気づいたのだ。

 優羽はエプロンを付け、温野菜の準備をしながら余った野菜でスープを作る。
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