俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 幸せとしか名前をつけることのできない全ての事象に城ヶ崎は言葉にならなくて優羽をきゅっと抱きしめる。

「お疲れさま」
 胸の中から優しくて、城ヶ崎を思いやるような温かみのある声が聞こえた。

 そして、優羽のほっそりとした腕がそっと背中に回って労わるようにぽんぽん、としてくれるのを感じる。

「すっげぇ癒された」
 ふふっと笑い声がする。

「まだなにもしていないのに」
「帰ってきたら電気ついてて、部屋ん中が温かい。お疲れさまと言ってくれて抱きしめてくれる。なんかいい匂いするし、チキンソテー? ご飯まで作ってくれたのか」

「あ、食べてきちゃった? ごめんなさい」
「いや、むっちゃ腹減ってるよ。ありがとう。着替えてくる」

 着替えてくると言いながら、腕の中の優羽は離したくない。

「えーと、昂希くん?」
「あー、離れたくない」

「どこにも行かないから。着替えてきて? ゆっくりしましょう」
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