俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「可愛いね。素直なところが変わっていない。優しくて、素直で優羽はみんなに好かれてた。指導係だった? 後輩の女の子もすごく優羽のこと信頼している感じだったよね。仕事、楽しい?」

「お仕事は大変なこともあるけど、楽しいの」
 だから辞めたくないという気持ちが伝わってほしい。優羽はそんなふうに思っていたけれど、それが弱みとなっていることに気づいてはいなかった。

「優羽が楽しいと思っていることを奪うことはしないよ」
 では許してくれるということだろうか?

「でも、俺簡単には許さない性格なんだよね」
「それは直した方がいいと思う」
 つい口からこぼれてしまった。

「え? 何か言った?」
「いえ。何も」
 城ケ崎がわざとらしくにこりと笑う。

「突き飛ばされたところが痛いなあ」
「本当にごめんなさい」
(けがしてないって言ったのに!)
 それでもそう言われるともはや謝ることしかできない優羽だ。

 そうして、食べたか食べていないか分からない食事を優羽は終えた。
 食事代を請求されるかと思ったら、城ケ崎がさっさと払ってしまう。

「城ケ崎くん、私、払うわ」
「いいよ。これくらい」
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