俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「シャワーだけ浴びてきていいか?」
「うん! もちろんだよ。その間にチキンに火を通しちゃうね」
「ん、よろしく」

 なるほど、城ヶ崎は帰ってきてすぐ着替えて、シャワーを浴びる派らしい。

 そういうことは、生活に入り込まないと分からないことだ。城ヶ崎は他人を簡単にパーソナルスペースには入れないような気がする。

 自宅に招き入れて、その部屋の中を自由に使わせるなんてしたことはあるのだろうか?

 もし、そんな人がいたとしたら、その人は相当に城ヶ崎に信頼されていたんだろうということだ。

 優羽は少しだけ胸が痛んだ。
(いたのかな? そんな人……)
 そして優羽は気づく。

(私にも、独占欲ってあったんだ)
 交際歴がないわけではなかったけれど、そこまでの強い気持ちではなかったのかもしれないと改めて感じる。

 城ヶ崎のことを好きなのだと自覚したときは、脅されていなくても会いたいんだと自覚したときだった。そうして両想いになった今は城ヶ崎を独占したくなっている。
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