俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 別にこの後の寝室云々を意識したわけではなくて、少しでもその時間を引き延ばすためだ。

 べつにイヤじゃないんだけど……。
 城ヶ崎とそういうことをするのは別に嫌いではない。

 ただ、いつもの自分とは違うし、最近はどんどん敏感になってきている気がするし、そんなことまで城ヶ崎に把握されている気がしてそれがちょっとだけ怖いのだ。

 知らなかった自分がそこにはいるから。城ヶ崎に言われるがままに乱れたりするのは、ちょっと怖い。
「優羽、寝間着を置いておく。先に寝室にいるからゆっくり来いよ」

 バスルームの外から城ヶ崎に声をかけられて優羽は慌てて返事をした。
「ありがとう!」
「待ってるからな」

 バスルームの外から聞こえるのは声だけなのに妙に艶を含んでいるような気がして、優羽はお風呂から上がってもいいものか、本気で迷ってしまった。

 そうは言っても、もちろんこのままずっと湯船の中にいるわけにはいかない。

 優羽は意を決して湯船から上がる。
(それにしても寝間着なんていつ買ったんだろ……)
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