俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 城ヶ崎の部屋の洗面所の大きな鏡に、その全身が写る。確かに繊細なレースはとても綺麗だが、全く隠してくれてはいない。

 むしろ透けてしまっていることで妙にいやらしいような気がする。

 ただ、これが優しさなのかもしれないと思えたのは、バスローブも一緒に置いてあったことだ。
 しかし、寝室に行けば披露しなくてはいけないことは間違いがないだろう。

(こんなの……着たことないよ……)
 ものすごく恥ずかしいし、心もとないし、変だって思われたらどうしようと思うと、バスローブは着てみたものの、今度は寝室に向かう勇気が出ない。

 その時、ガラッと洗面所の引き戸が空いた。
 まさかそこに優羽がいるとは思っていなかったのか、城ヶ崎がとても驚いた顔で立っている。

 もちろん優羽も驚いた。
「び……っくりした。なんだ、上がっていたのなら寝室に来いよ。風呂場で湯あたりかなにかで倒れでもしたのかと思って心配しただろう」

「あ……ごめんなさい……」
 城ヶ崎が洗面所の入口にもたれて腕を組んで緩く首を傾げ、妖艶な気配を隠しもしないで優羽の方を見ている。
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