俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 バスローブは着ているものの、その下が果てしなく心もとないことを優羽は分かっているので、思わず着ていたバスローブの襟元をぎゅっと握ってしまった。
 顔が赤いことなど自覚している。

 だが、その風情こそが城ヶ崎の劣情を煽っているということには優羽は気づいていなかった。

「あの……?」
「着てくれたんだな」

 色香を含んで城ヶ崎からとても危険な瞳を向けられているのに、優羽は身動きできなかった。
 ただ頷いただけだ。
 いきなり攫うように抱き上げられる。

「優羽が寝室に来るまで待てるかよ」
「こ、昂希くんっ! 重いから! 降ろして!」

「すっげー軽いし、優羽くらい簡単に運べる。けど、あんまり暴れるなよ。間違って落とすといけないからな」

 落とされるのは困る。優羽は城ヶ崎の首元にぎゅうっと抱きついた。
「そうそう。可愛いな、優羽」

 くすくすと笑う城ヶ崎は心から楽しそうだ。その声が幸せそうだから、優羽は抵抗するのをやめた。
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