俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「部屋でゆっくり話そう」

 戸惑っている優羽の腰に手をまわして、城ケ崎はエレベーターへと優羽を連れていった。腰に手をまわされては逃げることはできない。

 エレベーターの中で見上げる城ケ崎の横顔は本当に端正で、優羽が立っている位置からは耳から顎にかけてのシャープなラインが見える。立っているだけでも男性の色気がにじみ出ているような人だ。
 ひどく執着されているように感じるのは、気のせいなのだろうか。

 部屋の前まで来て、城ケ崎がかざしたカードキーのピッという音はひどく耳に響いたような気がする。
「どうぞ」

 ダブルルームだった。部屋の中に入ると大きなベッドがでんと鎮座していて、奥には簡易なソファセットが置いてある。
 ありがたいことに、どうぞと城ケ崎が進めてくれたのはソファセットの方だ。

 それでも優羽は中に入ることを一瞬躊躇ってしまった。部屋の中には入ったものの入口で立ちすくんでしまう。

「座れば?」
「どうして、部屋なの?」
「周りにはあまり聞かれたくないから」
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