俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 仕事も終わったあとの濃い情事のあとだ。優羽は城ヶ崎の腕の中でうとうととしていた。
 それでも確認しておかなくてはいけない。

「ねぇ? 昂希くん、渡米っていつなの?」
「こっちでの案件が落ち着いたから、準備して……それでも一ヶ月後には行かなきゃいけないな。優羽は無理するな」

 半分目が閉じかけている優羽のこめかみに城ヶ崎の唇の感触がする。

 とても甘いキスだ。
 その仕草に優羽は安心してしまう。城ヶ崎の腕の中の温もりとキスはもう、優羽の癒しでもある。

「ん……」
 半分寝ぼけてとろりと返事をする。
 それでも「一ヶ月後」その言葉はしっかりと優羽に刻み込まれた。


 一ヶ月後──
 その期限を聞いて、優羽は自分が決断しなければいけないことを強く感じていた。

 城ヶ崎とは最近、こまめにメールなどで連絡を取り合い、時間があれば部屋に立ち寄り一緒に時間を過ごすこともある。
 城ヶ崎の部屋の優羽の荷物はどんどん増えていった。

 とても強引な始まりではあったけれど、溺愛という言葉だけでは足りないくらい愛されていることも分かる。本来、城ヶ崎はとても愛情深い人なのだ。
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