俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「その……渡米の、ことなの」
「ああ」

 城ヶ崎は優羽の顔を覗き込んだ。それだけでは表情は優羽には読み取れなかった。
 優羽は口を開く。

「一緒にいたい、って思うの。きっと離れていても昂希くんは私が不安にならないようにしてくれるとは思う。でも、私が昂希くんといたい。もっと二人で時間を過ごしたいって思うの。……で、必要なら会社を辞めてもいいからついていこうかなって」

 なんだか、だんだんプロポーズでもしているような気分になってきた。城ヶ崎も真剣な表情を崩さない。

(なんだろう、いたたまれない気持ちになってきたわ……)

「優羽……」
「はい」
「悪い……」

 もしかして先走ってしまったのかも知れない。城ヶ崎にそんな気持ちはなかったのに、勢い余ってしまっただろうか?
 優羽は血の気が引くような思いだった。

「確かに少しでも離れたくないと言った。優羽が本当に真剣に考えてくれたんだと知って、俺はなんていうか、その……すごく感動した」
「うん」
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