俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 その言葉の先はなんだろう? でも……?
「でも……会社は辞めなくていいぞ」
「え?」

 一大決心だったのに、やはり一緒に行くなんて無理、という話だったんだろうか。
 仕事なのに、優羽が一緒に行くのは邪魔だった?

「そんな顔をするな。悪いのは俺だ。それに、一緒に来たいなら来て全く構わない。ただ、出張なんだ」

「しゅ……っちょう?」
「二週間から長くて一か月程度になるかもしれないが、出張だ」

 少し気まずそうに城ヶ崎は優羽を見て口を開いた。
「向こうでの案件が片付き次第帰ってくる。依頼もこっちの企業からの依頼なんだ。ただ、機密保持契約なんかの関連もあるから直接対応するだけで」

「こ、昂希くんのばかーっ!」
 半泣きになった優羽はぱしぱしっと城ヶ崎の胸の辺りを叩く。

「ヤバ、顔がにやけるんだけど。優羽、そんなに真剣に考えてくれてたんだ。会社辞めてまで俺についてきてもいいって思ってくれてたのか」
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