俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 簡単に優羽の手なんて取られてしまって、本当に嬉しすぎるのか笑みを止められなくて、表情がゆるみきっている城ヶ崎が優羽を抱きしめた。

 優羽は抱きしめられてしまったので、今度はその背中をぱしぱし叩く。

「ひどいわ! きらいなんだから! 絶対についてなんていかないわ!」

「だから、俺が悪いって。ごめん。だから嘘でもきらいなんて言うな」

 嘘だって分かっているくせに。
 だから甘い声できらいなんて言うなと優羽の耳元に囁いたりするのだ。

 安心感のようなものが優羽の身体を包み込んで、身体から力が抜けてしまう。

「きらいっていうのは嘘……」
「分かってるから。ごめんな」

 こんなふうになにもかもを包み込むように抱きしめられてしまったら、抵抗なんてできない。
 優羽はぎゅっと城ヶ崎の背中を掴んだ。

 ぽんぽん、と優しいリズムで城ヶ崎が抱きしめている優羽の背中をたたく。
 低くて、穏やかな声が聞こえた。
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