俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 憂いを含んだ表情で優羽は軽く首を傾げる。

「なにを見ていたんですか?」
「昂希くんがサンフランシスコの景色を送ってくれるからそれを見てたの」

 優羽は藤井に画面を見せた。日本とは違うその景色を見て、藤井が顔を輝かせる。

「ああ、やっぱり空とか日本と違うって感じですね」
「そうね」

 返事をする優羽も一緒に画面を見て微笑む。藤井が優羽の向かいにいいですか? と言って座った。
「でも、吉野さんがお辞めにならなくてよかったです」

 あの時のことを思いだしたら優羽は顔から火が出そうだ。すれ違って、先走っていろいろ考えすぎてしまった。もちろんそれがきっかけで進んだ話もあるけれど。

「ごめんね、いろいろ相談にのってもらったのに」
「違いますよ! そういう意味じゃないです! やっぱり、いてくださって嬉しいって話です」

「でも恥ずかしかった……。ものすごく先走って藤井さんに相談してしまったもの……」
 思い起こすと恥ずかしくて、優羽は両手で頬を覆う。そんな優羽を見て藤井はにこにこしていた。
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