俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「ありがとう」
 優羽は可愛い後輩に微笑みかけた。
「あー、なんか城ヶ崎先生のお気持ちが分かります。吉野さんに甘えられたら嬉しいかも」
「なに言ってるのよ、もう」


 日本時間の夜十時頃が向こうでの早朝五時頃らしく、それくらいの時間に動画通話しようとメールが入っていた。

(まだ八時……)
 久しぶりに声が聞けると思うと、嬉しくなってしまって、なかなか進まない時計を何度も見てしまう。

 ──一緒に住もう。
 そのスタートがいつになるかは分からないが、城ヶ崎のことなのでそれほど先でもないように思った。

 仕事を終えて、家に帰ってきて、食事をしてシャワーを浴びる。

 それでも時間がまだまだありそうなので、持て余した時間を優羽は部屋の中の整理に使うことにした。

 クローゼットを開けると意外と着なくなった服や使わなくなったものも目に入る。

 こまめに整理はしているが、引越しともなると新たにものも増えるだろうし、余計なものは持っていきたくない。
 優羽は不要品の整理を開始する。
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