俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 画面越しでも顔が見れたら嬉しい。けど体温は感じられない。こんなふうに離れていたら、ただ淋しくなってしまう。ぽろっと優羽の口から本音が零れでた。

「私も抱きしめてほしいって思うもの」
『もどかしいな』

 その時城ヶ崎が立ち上がり、パソコンに向かってごそごそとしている姿が見えた。

『優羽、イヤホンつけろよ。多分その方が声が近くに聞こえるはずだ』
「あ……うん」
 優羽もテーブルの側に置いてあった、イヤホンを付けた。

『どうだ? 少しは近く感じないか?』
 声だけならば、まるで隣にでもいるくらいに近い。
「そうかも」

 けど、その声の近さは逆に距離の遠さも感じさせて、優羽は少し切なくなってしまった。

 そんな切ない気持ちを振り切るように優羽は画面に笑顔を向ける。城ヶ崎に心配をかけたくはなかった。

 城ヶ崎には優羽の笑顔を覚えていてほしいと思うから。

「いろいろ写真を送ってくれてありがとう。空の感じがやっぱり日本と違うねって言ってたの」
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