俺様弁護士は激愛を貫きとおす
『実際はあまり天気がよくないことも多い。霧のサンフランシスコという曲があるくらいだからな』

「そうなの?」
『ああ。以前に一年くらいこちらにいた時も時期によっては雨や霧が多くて驚いたな。西海岸というとスカッとした青空のイメージだったから』

 話している城ヶ崎を優羽もつい見つめてしまう。こんなにじっくりと城ヶ崎の顔を見ながら話すこともあまりないかもしれない。

 城ヶ崎が海外にいた時の話をしてくれたのも初めてだった。

「そっか、資格を取るためにそっちにいたのよね」
『そうだな。しかし言語は使わないと錆びるな』

「ネイティブに話せるのすごすぎるわ」
『ネイティブなわけないだろう。交渉に困らない程度に話せるくらいだ。でも当時の同期もこちらにいたりして、ずいぶんと力になってもらった。久々に会えて嬉しかったよ。優羽はどうしてた?』

 とてもたくさん城ヶ崎が話してくれるのが優羽には嬉しい。そんな時でも気づかってくれることも。

「私は四半期の締めが近いから、忙しかったの」
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