俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 優羽は言われた通りにファスナーを下げた。

『え? なんだよ、下着てんの?』
「それはそうよ」

『着てないと思ったんだ。くそ、道理ですんなり下げると……』
「うふふっ、残念でした。着てるのよ」

 そう言って優羽はぺらっとパーカーを広げ、中の長袖Tシャツを見せる。
『優羽……お前、ノーブラ……っ』

 ──あ……れ?
 画面越しの城ヶ崎が目を見開いて動揺していた。それは画面越しですら分かるほどだ。

 心なしか顔も少しだけ赤い気がする。
 城ヶ崎が口元を抑えて顔を俯かせる。

 優羽は慌ててパーカーの前を閉めた。
「ち、違うのっ! そうじゃなくて、そういうつもりじゃなくて!」
『……責任はとってもらう』

 急に耳元に流れてきた声は少しだけ低く怒らせてしまったのかと優羽はどきどきした。

 ──責任!? せ、責任てなに!?
『優羽、目を閉じろ』

 なにをさせられるんだろう。いやな予感しかしないが、その予感は毎回きっちり当たっている。
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