俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 だから今まで積極的に自分で自分の身体に触れることはなかった。

 今初めて触れて、その感覚にも初めてのことにもとてもどきどきしてしまう。

 自分で身体を洗ったりする時とは全く違う。耳元で囁かれながら言われた通りにするのは、自分で触れているはずなのに本当に触れられているように感じてしまう。

 先端には触れるなと言うのでその通りにしているけれど、いつものように胸の先がなんだかじんじんしてきてしまった。

「昂希……くんっ」
 ──焦らさないでほしい。
 いつものような声が出てしまった。

『触ってほしい?』
 優羽の耳に響くのもいつもと同じ囁き。
 この声に逆らえなくていつもねだってしまう。

「んっ……ほしい……」
『胸の先、触っていいぞ。敏感になってるからごく優しく。羽で撫でるみたいに』
 それはまさにいつもの手順だった。

 最初はごく優しく肌に触れてくれている。そして、優羽がたまらなくなったら、焦らさられたり強くされたり、いつも翻弄されてしまうのだ。
 この時もそうだった。
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