俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 藤井はその瞬間鬼のような形相になった。
「どうして早く言わないんですか!?」
「だって、お仕事が……」

「私では頼りないですか?」
 そんなことはない。藤井なら大丈夫だからと会社を退職することも検討していたのだから。

「大丈夫です。何かあったらチャットします。速やかにお帰りください」

「え、でも……」
 優羽の手元の書類は藤井が持っていってしまった。

「大事な人が海外から帰国するって何度もあることじゃないです。まあ、城ヶ崎先生は分かりませんけど。でもずっとお会いしていなかったんですよね?」

 藤井の勢いに押されて、優羽は頷くことしかできなかった。
 それでも藤井の言いたいことは分かる。

「じゃあ、ぜひお出迎えしてあげてください。きっとチームの皆さんもそう思っていますから」

 ちらっと優羽が顔を上げると、デスクの周りの社員がこくこく頷いていた。

「大丈夫、でしょうか?」
「もちろん!」
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