俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 近くの電光掲示板を見ると到着便の案内が表示されている。
 城ヶ崎の便は定刻通りと表示されていた。遅れもなく到着するようだ。

 到着してからも入国審査や、荷物のピックアップにある程度時間がかかるはずだ。
 優羽は胸をどきどきさせながら到着ロビーで城ヶ崎が出てくるのを待つ。

 パラパラと人が出てきたなと思うと、程なく自動ドアから城ヶ崎が姿を見せた。
 大きなスーツケースを引いて、すらりとした姿と端正な顔立ちは注目を集めている。

「優羽」
「昂希くん……っ」

 優羽は思わずゲートの出口ギリギリまで駆け寄る。
 出口で待つ優羽を大股で歩いてきた城ヶ崎がぎゅうっと抱きしめた。

「あー、すげー会いたかった」
「うん。私も」
 望んでいた城ヶ崎の温もりに嬉しさを感じて、優羽も抱き返す。
 それはとても自然なことのように思えた。

 城ヶ崎がそっと身体を離して優羽に笑顔を見せる。
「迎えに来てくれたんだな。ありがとう。忙しいと聞いていたから無理と思っていた」
< 268 / 284 >

この作品をシェア

pagetop