俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「忙しかったけど、藤井さんがお迎えに行くべきだって言ってくれたの。みんな協力してくれたのよ」
 城ヶ崎はにっと口角を上げる。

「な? 大事にされているだろう? いい会社だよ。本当に」
 スーツケースを引く城ヶ崎は駅とは違う方向に足を向けた。

「え? そっち?」
 電車で帰るのかと思ったら、迎えの車が来ているという。優羽も一緒に車で帰ることになった。

 空港ビルの正面に黒塗りの高級車がつけられていて、白い手袋をした運転手がその前に立っていた。

 まさか、車のお迎えが来ているとは思っていなかった。
「お帰りなさいませ、城ヶ崎さま」
「ありがとうございます」
 にこりと微笑む城ヶ崎はその運転手を知っているようだ。

「うちの事務所の運転手をしてくれてる高井さん。高井さん、僕の婚約者で優羽といいます」

 城ヶ崎は臆することなく運転手に優羽を紹介してくれた。慌てて優羽は頭を下げる。
「吉野優羽と申します」

「お世話になっております。どうぞご乗車ください」
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