俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 アメリカから帰ってきて、城ヶ崎がとても忙しそうなのは知っていた。

 優羽も残業で遅くなりがちだったが、城ヶ崎はそれ以上に帰りが遅い。どうやら、アメリカでの仕事以外の案件も立て込んでいるようだ。

「あんなもんは商業イベントだろう」
「それはそうかもしれないけれど」
 軽いため息と共に尋ねられてしまった。

「優羽はどうしたい?」
「まだ決めていないけど、一緒に過ごせたらいいなとは思うかな」

 それに対しては「検討する」という返事だった。
 ゆっくり過ごすきっかけとしてはいい機会なのではないかと優羽は思うけれども。

 最近の城ヶ崎はと言えば、夕食は食事らしい食事もできないようで、夜はコンビニのおにぎりを食べたと言っていたが、家に帰って来てからも食欲がないと言っていた。

 仕事が立て込んでくると、食事を控えるようだというのも一緒に過ごして初めて知ることだ。

 本当かどうかは分からないが、物を食べると消化しようとして胃に血液が集まって集中力が落ちる気がするのだそうだ。
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