俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「顧問先の業務とは全く違うし、一応それなりに勉強はしているが刑事事件は動き方も全く違う。かなりのスピード感を要求される。警察は決められた時間以内に送検をきめなくてはいかないからな。さらに依頼人にある程度寄り添うことも重視されるんだ。かと言って肩入れしすぎてもいけない。難しいけれど、いい経験をさせてもらっているよ」

「私では力になれないけれど、なにかできることがあったら言ってね」
 具体的に忙しい理由を優羽にきちんと説明してくれるところが城ヶ崎らしい。

 城ヶ崎は強く優羽の腕を引いた。
「力になってるよ。気づかってくれる人がいるだけで頑張れる」

 優羽をぎゅっと抱きしめながら城ヶ崎は絞り出すような声でそう告げた。
 そんな城ヶ崎を優羽も柔らかく抱きしめる。

「応援してる」
「応援してくれる優羽が可愛い。和む。癒される」

 しかし、それで分かったのは城ヶ崎はクリスマスイブを商業イベントだと思っているということと、今はとても忙しそうだということだ。

 他にも優羽には気になっていることがあった。
 それは城ヶ崎のプロポーズだ。
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