俺様弁護士は激愛を貫きとおす
『する』と言われたもののそれがいつ来るのかは知らされていない。もしかしてクリスマスイブなどを考えているのだろうかと思ったら、商業イベントだと切って捨てるようなセリフと、凍りそうな表情で見られたのだ。

 ──クリスマスはないわね。
 いつ来るか分からないということに、優羽はどきどきさせられていたのである。もしかしたらそれこそが城ヶ崎の作戦なのかもしれなかった。


「素敵なイブになるかは全く予想がつかないの」
「あ、城ヶ崎先生がお忙しい感じですか?」
「それもあるし、クリスマスイブはどうするのって聞いたら、商業イベントと切って捨てられたわ」

 一緒にエレベーターでロビーに向かいながら優羽が言うと、藤井は苦笑していた。
「なんか、城ヶ崎先生ならそんなふうに言うのが想像できます。吉野さんはどうされたいんですか?」

優羽はどうしたいか。確かにそれは城ヶ崎に伝えていなかったかもしれない。
「一緒に過ごして、一緒に過ごせることに感謝したいかな」

 「素敵ですね。ところで、私は彼氏にクリスマスプレゼントをデパートに買いに行くのですが、吉野さん、ご一緒していただけませんか?」
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