俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「大丈夫です。手分けしてやりましょう」 そこから優羽はリストを元にメールを作成し、上司に承認をもらったのち対応に入る。

 レスが早いところはすぐに回答があったが、もちろん中には担当者が帰宅している会社もあるだろう。
 リマインダーを作成して、優羽は席を立った。

 スマートフォンを見て驚く。
 城ヶ崎からは何件ものメールが来ていたからだ。そして最新のものは「会社の前にいる」だった。

 クリスマスイブは会えないものと思い込んでいた。

 優羽は逸る気持ちを抑えて慌ててエレベーターに乗り込む。早足でロビーを横切ると、会社の目の前に車を止めた城ヶ崎がいた。

「昂希くん!」
「優羽。おつかれ」
 駆け寄ってぎゅっとコートを掴む。

「気づかなくてごめんなさい。忙しそうだったし、商業イベントなんてって言うから」

「優羽は一緒に過ごせたらいいな、と思ってくれていたんだろう? それにプレゼントをねだらないし」

「ねだらないわよ。一緒に過ごしたいなぁって思っていただけだもの。来てくれて、すごく嬉しい」
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