俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 それに名前を呼べと言われたからといっていきなり呼び捨てできるわけでもない。

「……こ、昂希、くん?」

 勇気を出して優羽はそっと呼んでみる。城ヶ崎はふいっと横を向いた。
 自分が呼べと言ったくせに。

 けど、耳の下の方から首にかけてのすらりとしたラインが赤くなっているように見えたのだ。
 自分で言っておいて、まさか照れてる?わけないわよね?

「ん、なんか俺の周りって皆呼び捨てだから、くん付けで呼ばれると、なんか照れる」
「城ヶ崎くんが照れるとかすごく意外」
「優羽、名前」
 むぅっとした城ヶ崎が優羽の頬を指でつつく。

「今度から名前で呼ばなかったら優羽からキスしてもらおうかな」
 城ヶ崎は本当に優羽をからかったり、いじわるしている時は楽しそうだ。

「本当に……なに言ってるの」
 その時恰幅のよい男性が城ヶ崎に声をかけてきたのだ。
「城ヶ崎先生」
「北山先生、お招きありがとうございます。素晴らしいですね、楽しませてもらってます」
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