俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 実際に食べ歩きをしてみたら、普段そんなことをしない優羽の方が不器用で、全く上手く食べることができない。

「なんだ、自分で言い出しておいて全くできてないじゃないか」
 城ヶ崎は手頃なベンチを見つけて、そこへ優羽を連れて行ってくれ、座らせてくれて荷物まで持ってくれた。

 困らせるどころかとても優しくしてもらっているような気がする。

「食べにくそうだな。おい、もっと口開けないと入らないぞ」
「む……無理だもん」
「ほら、こぼれそうだ。貸せよ」

 両手いっぱいに食べ物を持っていた優羽の手から肉まんを取り上げる。
「持っててやるからその焼き小籠包を先に食べろ」
 優羽はぱくっと口に入れる。

「あ、熱いよ!」
「なんだ猫舌か? じゃあ、こっちを先に食え」
 優羽の面倒を見ながらも、城ヶ崎は自分の分は器用に食べているのだ。

「午後からどうする?」
 優羽は考える。けれどそもそもどこかに行くことは考えていなかった。
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