俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「お出かけすることは考えていなかったわ」

「行きたいところがあればどこでも連れてってやるけど」
「急に言われても困るなあ。本当に考えていなかったから」

 そもそも急に待ち合わせをしようと呼び出された形なのだ。
「確かにそれもそうか。行きたいところがあったら言えよ。優羽は普段休みの時は何してるんだ?」

「お部屋のお掃除、お洗濯、お買い物……」
「色気ないな。デートとかしないのかよ」
「う……ん、最近はそういうのないなー」

「彼氏とかいないのか?」
 今更ではないだろうか?
「いたら城ヶ崎くんのお呼び出しには応じていないと思うの」

「一途っていうか……真面目なところは変わってないな。その家事の他は趣味とかないのか? 本とかよく読んでいただろう?」
「ああ、本を読むのは今も好き。そうね、たまに本も読んだりするよ。本、というか物語が好きなの。だから映画とかも観に行ったりするかな」 

「映画か……今は観たいものはないのか?」
「今はないけど、来月はあるわよ。読んでいた本が映画化されるっていうから、それは観に行こうと思っててすごく楽しみなの!」
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