俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 その優羽に名前を呼ばれたことが城ヶ崎には堪えきれず、そっと唇を重ねた。
 先ほどから優羽の顔に触れるだけでもたまらない気持ちだったのだ。指先で肌に触れるだけのことですら昂るなんて感覚は城ヶ崎は知らなかった。

 唇を重ねたら自分を止めることなんてできなかった。
 そっとベッドに押し倒して、その顔に触れて、何度も唇を重ねる。

 時折、目をパチパチさせて優羽は城ヶ崎がすることをその大きな瞳でじっと見ていた。
「いや?」
 そう聞くと素直な子供のようにふるふるっと優羽は首を横に振る。
「キス、とっても上手だね。すごく気持ちいい」

 そう言ってふにゃっと笑う優羽はその上もなく愛らしい。もっと触れたい。もっと欲しい。このまま優羽を自分のものにしてしまいたい。

 今だけじゃなくて、これからもずっと。
 こんな想いを抱いたのは生きてきてずっと、優羽にだけだ。もっと綺麗な女性にももっとスタイルのいい女性にも出会ったことはある。

 なのに強く欲しいと思うのは優羽だけなのだ。
 城ヶ崎を視界に入れない優羽。城ヶ崎を見つめてほしいと強く願う女性だ。
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