俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 甘くて口に入れたらとろけそうな、そんなものにこそ逆らいがたい中毒性があるのだと城ヶ崎は気づいていた。
 一度触れたら絶対にまた欲しくなる。
 分かっていてそれに手を伸ばしたのだ。

 優羽の身体の余すところなく口付けた。彼女は感じやすいようで時折上がる甘くてとろけそうで高めの澄んだ声に聞いている方が昂りそうだった。

「あ……ん、や……」
「いや? 本当に?」
 そう聞くと、優羽は可愛く首を横に振って「ん……いい」と答える。

 酔っているとは思っていた。
 けど、城ヶ崎の中では酔って甘えたになる優羽も可愛いと思ったくらいだったのだ。
 背中に回る腕も何度も達する声も、白い肌も柔らかい感触も全てが魅力的で全てを自分のものにしたと思った。

「優羽、俺の名前……呼べよ」
「んっ……昂希、くん」
 何度も呼ぶから、加減なんて出来なかった。

 城ヶ崎も何度か達した頃合に、引きずり込まれるかのように優羽は目を閉じて眠ってしまった。
 ベッドから身体を起こした城ヶ崎は軽く後始末をして、素肌のままの優羽を抱きしめる。
 その肌の感触と香りに包まれて眠りにつくことはとても幸せなことだった。 軽く優羽の額に口付ける。
「おやすみ、優羽」
 まさか翌日起きたらベッドから突き飛ばされて、悲鳴をあげられ逃げられるなんて、夢にも思っていなかったのだ。

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