俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 好きだった。とても愛おしい。このまま手に入れてしまいたい。可能なら閉じ込めてどこにも出したくない。なのにきっともう触れることもできない。

 朝方、優羽がそっと出ていったのには気づいていた。それでも目を開けることができなくて、ただ、その気配だけを感じていた。
 かちゃん、と入口のドアが閉まり、城ヶ崎は目を開けた。

 城ヶ崎の隣に綺麗に畳まれたブランケット。その上にメモが置いてある。綺麗な優羽の字で、『泊めてくれて、ありがとう』と書いてあった。

 城ヶ崎はそのメモを手にした。
 優羽らしい。
 責めてもいいのに責めるようなことは何も書かずにお礼の言葉だけだ。

 ブランケットにまだ優羽の温もりが残っているのではないかと城ヶ崎は手にしてみた。
 すると、優羽の香りがふわっと漂った。

「くっそ……マジかよ……」
 城ヶ崎はそのブランケットを強く握る。
 リビングから寝室に抜けて、それを寝室のベッドの上に放り投げた。

 あのブランケットを抱きしめて、顔を埋めてしまったら、なにかに負けるような気がして絶対にできないと思った。
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