俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 お料理もひと皿目から帆立貝とキャビアの前菜に始まり、小さくカットされた野菜なども彩りよくお皿に乗せられていてソースも美味しい。

「すごく美味しい」
「本当? 良かった。で、昂希とはあれからどうなった?」

 思わず優羽の食事をする手が止まってしまう。優羽は笑顔を早紀に向けた。
「どうなったって、どういうこと?」

 まさか突き飛ばして逃げて、それを弱みとして握られて、抱かれてしまったなんて優羽は早紀には言えない。

「んー? あの同窓会の日ね、昂希、誰にも触らせずに優羽をお持ち帰りしたから。すごかったのよー。周りを牽制しまくって」
 いししーと早紀は笑っている。

「え……」
「あ、もしかして、覚えてない?」
 あの日の記憶は本当に途中で途切れていて、ふるふるっと優羽は首を横に振る。

「本当に覚えていなくて」
「そっかー。優羽結構酔っていたものね。送っていくと言った人が何人かいたの。私が送っていくつもりだったんだけどね」
 城ヶ崎は『俺が送る』と言って、優羽を側から離さなかったらしい。
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