俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 何かを感じるのに、それが掴めなくて、何か分からなくて優羽はとてももどかしい気持ちになった。
 食事はとても美味しいはずなのに妙に味気がない。

 そんな優羽の表情を見て、早紀は苦笑した。
「二人してなにしてんの?」
「え?」

「二人ともお互いがとても好きに見えるのに、なんだか手を出しかねているのはどうして? 二人ともとてもお似合いなのに」
「私……は」

 早紀はいつも優羽の背中を押してくれた。あのラプンツェルの配役をもらって迷っていた時も『やってみたら?』と背中を押してくれたのは早紀だったのだ。

 嫌なことを強引にやらせることはしなくて、迷っている時上手に背を押してくれるのは早紀らしい。
 優羽は口を開いた。

「一緒に出かけたりしたの。とても楽しかった。あんな風に過ごせたらいいって思うけど」
「そうやって昂希に言ってみたら? 優羽の言うことを叶えられないようなやつじゃないと思うし、ダメだったーってなったら私に泣きついておいでよ。朝まで飲みでも愚痴でも付き合うからさ!」
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