俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「すぐに来るなんて思わなかった。城ケ崎くんは忙しいのかと思っていたから」
「暇ではないが、優羽と話す方が優先だから」
　車の中は静かでなんとなくしん、としてしまう。

「悪かった」
　しん、とした車の中で城ヶ崎の低い声が響いた。
　優羽はものすごくびっくりしてしまった。城ケ崎が謝るなんて思わなかったからだ。

「どうしたの？」
　思わず聞いてしまうと、城ヶ崎に微妙な顔をされる。
「そんなに驚くか？」
「少しだけびっくりしたけど」

「悪いことをしたなって思ったら俺だって謝る」
「話ってそれ？」
　城ケ崎は髪をかきあげた。

「優羽の話は何なんだ？」
　そう聞かれると、優羽も困ってしまう。
「あ……うん」
　一緒に過ごしたことが楽しかったといきなり言うよりも、優羽は聞きたいことがあった。

「あのね、高校の時の演し物のことなんだけど、城ケ崎くん王子様役に立候補したって本当？」
「な……」
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