俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 そんなことをいきなり言われるとは思っていなかったのだろう。城ケ崎は言葉を失っていた。

 黙っちゃったわ。そう思って運転席の方を見た優羽も言葉を失くした。
 あの城ケ崎が顔を赤くして困っていたからだ。

「誰かから聞いたのか? 山口?」
「あ、うん。早紀ちゃん」

 はーっと運転席から深いため息が聞こえてくる。

「本当だよ。もしかして同窓会のことも聞いたか?」
「同窓会のこと?」
 城ヶ崎がしまったという顔をしていて、珍しいと思いつつ、そこについても優羽は逃すつもりはなかった。

「もしかして、同窓会も城ヶ崎くんが?」
 腕を組んだ城ヶ崎は目を閉じて、軽く息を吐いた。少しだけ顔が赤いような気がするのは気のせいだろうか。

「違う。けど、優羽に声をかけろと言ったのは俺だ。いろいろと強引にして悪かったと思っているが、それも優羽を誰にも取られたくなかったからだ」
「訴えるって言ったのよ!」

 優羽は珍しく声を荒らげた。目を開けた城ヶ崎は優羽の方をまっすぐ見つめ返す。
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