イケメンエリート、最後の独身
萌絵は謙人から体を離して、謙人の目を真っすぐに見る。謙人の方が恥ずかしくなるくらいに。
すると、萌絵の方から謙人にキスをしてきた。
謙人はされるがままに体を預けた。抗うなんてあり得ない。主導権?そんなもの萌絵が欲しいのなら全て差し出す。萌絵の吐息と甘い匂いで、もう、この段階で昇天してしまいそうなのに。
謙人と萌絵は、畳んで置いてあった布団の上に倒れ込んだ。
謙人は自分の欲望にブレーキをかける術を忘れてしまっている。萌絵が欲しくてたまらない。今度は、謙人の方から熱いキスを萌絵にプレゼントする。いや、プレゼントなんて可愛いものなんかじゃない。
謙人は自分の荒々しさに不安を抱き、少し萌絵から体を離した。
「萌絵ちゃん…
このままだったら、俺、萌絵ちゃんを抱きたくなる…
萌絵ちゃんの気持ちが、俺にないんだったら、もう、ここでやめる…
萌絵ちゃんのこと、傷つけたくないからさ…」
謙人が最後まで言わない内に、萌絵は謙人の口をキスで塞いだ。