イケメンエリート、最後の独身
「どっちにしてもつらいなら…
この二週間、何も考えずに楽しもう。
俺は、どういう感情になっても、萌絵ちゃんの事、明るい気持ちで必ず送り出す。
それは約束するよ…
萌絵ちゃんの夢を邪魔したりはしない。
だから、大丈夫だよ…
何も心配しなくていいから…」
その言葉を最後に謙人と萌絵は欲情の嵐に飲み込まれた。
畳まれた布団から転がり落ちて、二人はフローリングの上に敷かれたベージュ色の丸いラグの上で激しく絡み合う。
謙人は、初めて欲望というものを知った気がした。
求めても求めても足りない渇望に似た欲望に、心も体も全てが乗っ取られている。
萌絵の体は神々しくて、萌絵の放つ全てのものが謙人の大好物だった。
でも、萌絵の事を大切にしたい気持ちが大き過ぎて、抱いてる間も萌絵の心配ばかりしてしまう。
丸いラグの上で、二人は時間を忘れてずっと抱き合った。抱いても抱いても抱き足りない。キスだって、永遠にしてられる。
お互いそんな事を考えながら、ずっと絡まり合った。
謙人の体は、初めて女性の体を知った時のように敏感に反応して朽ち果てる。こんな自分は初めてだった。萌絵の全てが謙人を跪かせる。
萌絵と出会うために生まれてきたとしか思えない。
謙人は萌絵が醸し出すピンク色のオーラの中に身を委ねた。
もう、息さえできない…