イケメンエリート、最後の独身
「萌絵ちゃん、おはよう」
謙人は朝早くに目が覚めた。
というより、ほとんど寝ていない。萌絵の寝顔をずっと見ていた。永遠に見ていても飽きないとはこの事だ。
夜中にシングルサイズの布団を敷いて、その中で二人抱き合って眠った。
たくさんの女性や男性を抱いてきたが、寝顔を見ていて寝れなかった事なんて一度もない。それくらいに萌絵は謙人にとって、特別な女性だった。
「萌絵ちゃん、今日は何時までに会社に行けばいいの?」
狭い布団の中で、謙人は萌絵にそう問いかける。
萌絵はまだ寝ぼけまなこだ。もう、可愛くて仕方がない。
「9時半までに行けば大丈夫です…」
謙人は布団の横に置いてあるスマホで時間を見る。
まだ6時前だ。
「でも、もう、起きます。
お風呂に入りたいから。あ、謙人さんも一緒に入ります?」
謙人は心臓が高鳴った。
入りたいに決まってるじゃないか。