イケメンエリート、最後の独身


「ここのマンション、古い造りからなのかお風呂はちょっとだけ大きめなんです。
 でも、シャワーの状態があまり良くなくて、だから、毎日、お風呂にお湯を溜めて入ってるんで。
 謙人さん、先に入っていいですよ」

「え、一緒じゃないの?」

 もう中学生以下の小学生レベルだ。
 謙人の頭はもうその事でいっぱいになっている。
 すると、萌絵はクスっと笑う。謙人の胸の中でけだるそうに、そして気持ちよさそうにくつろいで。

「ちょっと狭いかもしれないですけど、二人でも大丈夫。
 じゃ、準備してきますね」

 萌絵がそう言って起き上がろうとした時、謙人は萌絵の肩を抱いてこう囁いた。

「俺が準備してくるから萌絵ちゃんはまだ眠ってて。
 泊めてもらったお礼だよ。
 いや、一緒にお風呂入りたいから喜んで準備する、いい?」

 
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