イケメンエリート、最後の独身
「行きたいところ? いいよ、付き合うよ」
萌絵は本当に嬉しそうだ。でも、その割にはもじもじしている。
「どこ? 東京にある?」
謙人はもじもじしている萌絵を自分の膝の上に座らせる。
恥ずかしながら、謙人は毎日ことだまマンションに通っていた。そして、ネットショッピングで、二人掛けのソファを買った。即日配達の【お部屋で組み立て段ボール資材回収プラン】で。
そのソファはとても居心地がいい。萌絵をずっと抱いていられる。そして、萌絵は謙人の膝の上に横向きに座った。
「ここなんです…」
萌絵はもじもじしながら、スマホでその場所を検索した。
そう、萌絵はスマホデビューしていた。謙人が会わずにいた二週間ほどの間に色々な事柄がアップデートされていた。
謙人はその場所の画像を見せてもらったけれど、そこが何なのかさっぱり分からない。
「萌絵ちゃん、ここは何?」
「プラネタリウム…です。
こんな感じで雲をイメージした二人掛けの丸いソファがあって、そこに寝転んでプラネタリウムを鑑賞したり、こんな感じで緑の芝生の布団に寝転んで観る事もできるんです」