イケメンエリート、最後の独身


 謙人はその画像に釘付けになった。

「でも、ここは公共の施設なんだよね?
 そんな場所で、カップルがここに寝転んでいちゃいちゃしていいの?」

「それがいいみたいなんです」

 萌絵はすごく嬉しそうだ。
 謙人もこんな楽しそうな場所が東京にある事を、何一つ知らなかった。

「私、前まで、パソコンでYouTubeやインスタを観るのが唯一の楽しみで、そこで見つけたやつなんです。
 いいな~、行ってみたいな~って思ってたんですけど、一人で行くには寂し過ぎるし、人気のデートスポットだからって諦めてたんですけど…
 でも、勇気を振り絞って、謙人さんを誘ってみました」

 謙人はもうすでに興奮している。
 この丸い夢のようなシートで萌絵といちゃつけるだけで嬉しかった。

「じゃ、ここに決定。週末はここで過ごそう」


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