イケメンエリート、最後の独身


「あの中学生カップルにできて、俺にできないなんてあり得ないよ…
 あの二人、手を握って肩を寄せ合って、それなのに笑顔で喋ってる…
 すごいよな…
 俺は煩悩の塊だ… 修行をしなきゃ…」

 萌絵は肩を揺らして笑っている。
 謙人はその萌絵の甘い吐息に更に興奮状態が高まっていく。
 萌絵の事が好きで好きでたまらない。
 このピンク色の世界を体感してしまった俺は、もうこれ無しじゃ生きていけない。

「謙人さん…
 せっかく星空を観に来てるんですから、その星空の世界に身を任せてください。煩悩なんて、すぐに消えてなくなりますよ…
 二人で宇宙旅行をしてるって思ってください…」


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