イケメンエリート、最後の独身
「あ、はい」
萌絵は慌ててコートを羽織った。
「じゃ、ホヨン君、後の事は任せたよ。
お疲れ様」
謙人はいつでも優しい。萌絵はそんな謙人の大人の男性としての魅力を感じている。
ホヨンはコーヒーを飲みながら、「了解です」と返事をした。
EOCのメンバーは神様から様々なギフトを授かった人達が集まっていると、ここで働く佐々木さんから聞いた。
様々なギフトとは、容姿、性格、知能、生まれた環境、他にもたくさんある。
萌絵は、まだ、EOCに関わる人をほんの数人しか知らないけれど、確かにそう思う。
イケメンでエリートで、人柄もいい。どこかに欠点があるのかもしれないけれど、それ以上に優れたものが多過ぎる。
「あ、萌絵、明日なんだけど…
ごめん、伝えるのを忘れてた。
明日から、俺との勉強会は午前中のみになったから。午後からは一人でちょっとずつ仕事を覚えていって」
萌絵は驚いて目を丸くした。まだ、一人で仕事ができるなんて思えない。
「大丈夫だよ。
俺はオフィスにいるし、分からない事があったらいつでも聞きにくればいい」
「はい…」