イケメンエリート、最後の独身
萌絵は何だか寂しかった。その気持ちはすごく複雑で、何が寂しいのかも分からない。
「とはいえ、午前中は今までどおりの特訓だからな」
ホヨンのその言葉に、萌絵は微笑んで頷いた。
「萌絵ちゃん、そろそろ行こう」
後ろで謙人の声が聞こえる。
萌絵はホヨンに頭を下げた。よろしくお願いしますと囁いて。
ホヨンはそんな萌絵の事は無視をして、コーヒーのおかわりを淹れ始める。
萌絵はそれでもよかった。怖くてたまらなかったホヨンの事が、少しだけ好きになった。それだけで嬉しかった。