イケメンエリート、最後の独身


「七年もの長い時間をそういう活動をして過ごすって、並大抵の事じゃない。
 私も仕事柄、そういう事業に立ち会う時もあるけれど、そこに携わる人々にいつも感動してるのよ」

 EOCは慈善活動にも力を入れている。
 だから、きっと、好印象なのだと思う。

「そんな私は、EOCのようなIT関連の仕事に関しては全くの初心者です。
 だからこそ、自分自身の新しい分野を切り開くため一生懸命努力したいと思っています」

 この時には本当にそう思った。

 貯金も何もない萌絵はとにかくお金を稼ぐ事が先決だった。
 NPOの仕事に見切りをつけて地元に帰ってきたのに、日本での萌絵を取り巻く状況は一変していた。
 まずは、結婚の約束をしていた幼なじみの彼が知らない女性と結婚していた事。実家に居候するにも、実家の家業がコロナのせいで休業状態になっていた事。過疎化が進む田舎のため、就職するにも雇用がない事。
 萌絵にとって地元は居心地がいいどころか、逆に居場所がなかった。

 そんな中、EOCの求人募集を見つけた。
 何も考えずにエントリーシートを送った。採用されるなんて夢にも思わずに。
 そして、萌絵は300人に一人の奇跡を手に入れた。

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