イケメンエリート、最後の独身
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「あ、謙人さん、今日から新しい人が来るんです」
最近の明智君は、いつも楽しそうだ。
愛するロビンと上手くいっているのは話を聞かないでもよく分かる。
謙人にコーヒーを渡しながら、明智君は嬉しそうに話を続けた。
「女性アシスタントです。
ソフィアがいつの間にか募集をしていたみたいで。
今回も相当な難関だったらしいですよ」
「舞衣のパターンだな」
映司はそう言うと、入口の方に目を向ける。
「女の子に対してのソフィアの選考基準はよく分からない。
舞衣なんてどうやってその難関を突破したのか、本人もさっぱり分かってなかったしね」
映司のその言葉を理解できるのは謙人しかいなかった。トオルは今日は休んでいる。舞衣がやって来たあの頃が懐かしく感じられた。
「どんな子なんだろう… 違う意味で楽しみ」
明智君は本当に楽しそうだ。謙人はそんな明智君の笑顔にいつも癒される。
でも、そんな明智君だって一世一代の恋を手に入れた。この笑顔の裏に隠された彼の真の強さには、自信過剰な謙人でも太刀打ちできない。