イケメンエリート、最後の独身


 すると、入り口の方が何となくざわつき始めた。
 このビルのエントランスにいるコンシェルジュが、インターホン越しに誰かを呼んでいる。
 明智君が慌ててドアの方へ向かう。そんな明智君に、コンシェルジュの男性が心配そうに話しかけている。
 映司はその様子をワクワクした顔で見ていた。

「そのアシスタントの女の子だな、きっと。
 コンシェルジュの彼を伴って来たという事は、ソフィアの選んだ女の子のタイプが少し分かった気がする。舞衣と同等か、それか、それ以上か…
 あ~、マジで楽しみ」

 謙人はそんな映司を横目で見つつ、おかわりのコーヒーを淹れるためにカフェスペースに向かった。
 確かに、ソフィアの選考基準は本当によく分からない。
 舞衣はいい子で仕事にも熱心取り組んでくれた。でも、凪という男に、あっという間にさらわれてしまった。生まれて初めて恋に落ちたみたいな、そんな顔をして。

「謙人さんもここへ来てくださ~い」

 相変わらず明智君は楽しそうだ。
 謙人はコーヒーを手に持って、皆の集まる場所へ戻った。

「じゃ、自己紹介をしてもらっていい?」


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