太陽と月の恋
更衣室がある3階にエレベーターで上がり、自動ドア前にあるセンサーにカードキーをかざす。
涼しい顔で受付カウンターを横切り、蛍光ピンクのドアに向かう途中、さっきまでエアロバイクを除菌してた河辺さんとすれ違う。
なんて声掛ければいいのか少し悩んでると、向こうが勝手に「今日19時半からですよね?」と口を開いた。
「はい」
「俺今からキッズクラス入るんですけど、多分20分にはトレーニングルームに戻れるんで」
「分かりました」
「帰らないでくださいよ、ドタキャンなしっすよ」
彼はそんなことを言ってまた悪戯にニカッと笑い、軽やかに走ってロビー奥にある暗い階段へと姿を消す。
そして階段の方から「かわべせんせーこんばんはー」と子ども達の元気な声が私の耳に届いた。
私のところには男性用制汗剤と衣服用洗剤の香りが混じって残る。
涼しい顔で受付カウンターを横切り、蛍光ピンクのドアに向かう途中、さっきまでエアロバイクを除菌してた河辺さんとすれ違う。
なんて声掛ければいいのか少し悩んでると、向こうが勝手に「今日19時半からですよね?」と口を開いた。
「はい」
「俺今からキッズクラス入るんですけど、多分20分にはトレーニングルームに戻れるんで」
「分かりました」
「帰らないでくださいよ、ドタキャンなしっすよ」
彼はそんなことを言ってまた悪戯にニカッと笑い、軽やかに走ってロビー奥にある暗い階段へと姿を消す。
そして階段の方から「かわべせんせーこんばんはー」と子ども達の元気な声が私の耳に届いた。
私のところには男性用制汗剤と衣服用洗剤の香りが混じって残る。